感染症対策を分かりやすく表示 コロナ禍も吹き飛ばす眺望
福岡空港に到着したアイラさんは、最初の目的地である福岡タワーを目指しました。地下鉄西新駅で降りて20分ほど歩くと、福岡のシンボルとして親しまれている福岡タワーに到着しました。高さ234メートル。そびえ立つ建物を見て「とてもきれいなタワーですね」とアイラさん。タワーの受付に行くと、コロナ感染症対策のピクトグラムが目にとまりました。
これは外国人旅行者に感染症対策を働きかけたり、施設の感染症対策の取組みを知らせたりするためのピクトグラムで、英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)・日本語を併記。換気やマスク着用など全部で11種あり、各項目を組み合わせてそれぞれの施設の取組みに合わせたオリジナルのチラシやポスターを作成できるものです。
タワーの受付には、A4サイズのチラシに「マスクの着用」、「入場時の検温」や「手指の消毒」など7つのピクトグラムが書かれていました。アイラさんは「日本でどういう感染症対策をしているのかわからなかったのですが、ピクトグラムを見て非常に分かりやすく安心しました」と笑みを浮かべながら、検温と手の消毒をしてタワーの中へ入っていきました。
エレベーターで地上123メートルある最上階の展望室に到着すると、入り口に再びピクトグラムがありました。ここでは「マスクの着用」「手指の消毒」に加えて「身体的距離の確保」が大きく記されていました。福岡タワーの担当者は「展望室では、どうしてもいい景観のところは密になりがちなので、身体的距離の確保お願いしています」。アイラさんはこのピクトグラムを見て、他の利用者との距離を十分に保ちながら窓の外を眺めました。福岡の街並みや博多湾などの景色を360度見渡せる眺望に感動。地上からでは味わえない感覚に浸ったアイラさんは「この景色を見ると世界を暗たんとさせるコロナのニュースも吹き飛びます。そう思えるのも施設側が感染症対策をしっかりと行っているという安心感が利用者にあるからだと思います」と話してくれました。
感染症対策の徹底で実現 博多人形絵付けを体験
福岡タワーで絶景を堪能した後は、福岡市博多区冷泉町にある「博多町家」ふるさと館に向かいました。
ここは、明治中期の旧博多織織元の住居兼工房を移築・復元した町屋棟などがあります。明治・大正の時代を中心に博多の暮らしや文化を広く紹介しており、博多の歴史や祭り、伝統などを感じて楽しめる施設です。
博多伝統工芸の博多人形の絵付けに挑戦できる場所には、大きなポスターに「マスクの着用」「手指の消毒」「徹底した消毒」「従業員の健康状態の確認」「入場時の検温」のピクトグラムが書かれていました。施設担当者は「利用者は講師と話をして物に触れる作業をするために、マスク着用と消毒の徹底を強調したものにしました」と説明。アイラさんは入念に手の消毒を行い、工芸士のアドバイスを受けながら素焼きした人形を選び、赤や青など色を塗り博多人形を作りました。
「コロナ禍の中で実際に絵付けに挑戦できたことは、感染症対策を徹底している裏付けがあるからだと思いました。博多の伝統工芸を体験できたことは、忘れられない思い出になりました」。アイラさんの瞳は輝いていました。
施設に応じたピクトグラム活用で安心・安全を保証
予定の1日目を終え、2日目は飯塚市へ。アイラさんは旧伊藤伝右衛門邸に到着しました。
この旧伊藤伝右衛門邸は、筑豊の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門と歌人柳原白蓮が過ごした邸宅です。アイラさんの目を引いたのは、白蓮の居室。ここは、日本庭園を一望できる見晴らしのいい部屋で、銀箔で作られた押入れや水上泰生が描いた蝶をあしらった天袋など様々な意匠がこらされています。
アイラさんは入館時に邸宅の従業員から、A4サイズのチラシを渡されました。「マスクの着用」「定期的な換気」のピクトグラムが記されていました。
「換気は十分にしていますが、ピクトグラムで表現することで利用者に安心してもらえると思ってこのピクトグラムをリストアップしました」。施設担当者の説明にアイラさんは「お客様への配慮と気配りが嬉しい。これで安心してゆっくりと施設を見学できます」と声を弾ませていました。
最終日は太宰府市にある太宰府天満宮へ足を運びました。参拝をした後、参道を歩いていると、名物の「梅ヶ枝餅」の店舗がありました。
入り口には「入場時の検温」「パーテーションの設置」「手指の消毒」「徹底した消毒」のピクトグラムが書かれたポスターが貼ってありました。「サービス業なので、消毒と健康状態の確認を徹底していることをお客様に理解してもらうため、このポスターを作りました」と店のオーナー。アイラさんは消毒と検温をして、梅ヶ枝餅を堪能。「観光地にある飲食店でも、ピクトグラムがあると安心して食事をすることができます」と話してくれました。
福岡の旅を終えたアイラさん。2泊3日の感想を尋ねると「日本がどんな感染症対策をしているのかわかりませんでした。実際に訪れると、マスク着用、検温や消毒など徹底した感染症対策が実施されており、ピクトグラムを見れば、その施設ごとに何をすべきかが明確に分かります。外国人観光客にとって本当にピクトグラムがあってよかったと思います。福岡はウィズコロナの時代でも気軽に安心して旅行ができる観光地だと思いました」と答えてくれました。
外国人観光客の受け入れ再開に伴い世界各地から福岡県を訪れる外国人旅行者にとって、このピクトグラムは安心・安全な旅を保証してくれるものになりそうです。
※ピクトグラムの活用シーンを想定したイメージ記事です