ピクトグラム活用シーンイメージ(外国人旅行者を迎えるにあたって)

ピクトグラム活用シーンイメージ(外国人旅行者を迎えるにあたって)

新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことにより、インバウンド(訪日外国人旅行者)需要の回復が期待される福岡県は、外国人旅行者に日本の感染症対策を発信することで、外国人旅行者と観光地の双方が安全・安心に過ごすことができる「観光地向け感染防止対策ピクトグラム」を制作しました。このピクトグラムには英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)・日本語を併記。「定期的な換気」や「マスクの着用」など、全11種の項目を組み合わせて「施設の取組み」と「お客様へのお願い」をそれぞれチラシやポスターとして作成できる福岡県独自のものです。
本ピクトグラムの活用方法をイメージしやすいよう、飲食店での活用シーンをご紹介しますので、参考にされてください。

店舗での掲示&メニューの冊子に入れて感染症対策アピール

九州一の繁華街、福岡市・天神地区近くに店舗を構える和食料理店。近隣にホテルがある影響もあり、コロナ前は出張のサラリーマンやアジアを中心とした外国人旅行者が来店していました。コロナ禍になってから客足は一気に遠のき、一時売り上げは8割近く落ち込んだといいます。「緊急事態宣言の時は、どうなるのかと不安でした。あの時よりは随分お客さんも戻ってきてくれています。外国人旅行者の受け入れ再開にも期待しています」とオーナー。

ピクトグラムを取り入れたきっかけは、ある常連客との会話でした。「この間、オーストラリア人の知り合いを連れてきたが、このお店は感染症対策をしっかりしているのかと気にしていたよ」と言われ、お店がしっかりと対策をしていることを外国人にも伝えられる方法はないかと考えていたところ、カウンターにいた別の常連客が福岡県が制作したピクトグラムを紹介してくれたといいます。

オーナーは、2020東京五輪の開会式で見たピクトグラムを思い出しました。「あれなら誰でも分かる」。さっそく、福岡県のホームページからピクトグラムをダウンロードしてプリントアウト。オーナーが選択したピクトグラムは「手指の消毒」「入場時の検温」「徹底した消毒」「パーテーションの設置」の4項目。「うちの店がやれるすべてのピクトグラムを選んだ方が安心して店に来てもらえると思った」とその理由を語ってくれました。

A4サイズに印刷したピクトグラムを店の入り口に掲示したほか、メニューと一緒に各席に置いてみました。

オーナーは「ピクトグラムを通して他国の人と分かり合えることは素晴らしいことだと思います。英語表記のピクトグラムは他にもありますが、これは韓国語、中国語まで書いてあるので、韓国や中国からも観光客が来るうちの店にとっては、1枚のチラシやポスターで済むので助かります」と語ってくれました。

テイクアウト商品に同封して安心・安全を宣伝

福岡市博多区にある洋食料理店。コロナ禍ではじめたテイクアウトが好評で、最近は外国人の利用も増えてきたそうです。しかし、店内に足を運んで食事をしてくれる人はなかなか増えません。

そこで、テイクアウトを利用したお客様に店内の雰囲気を伝えるため、商品にお店のチラシを同封することにしました。それとあわせて、感染症対策をしっかりと行っていることをPRするために、福岡県のホームページにあるピクトグラムを活用することにしました。

選んだピクトグラムは「手指の消毒」「パーテーションの設置」「入場時の検温」「徹底した消毒」「キャッシュレス決済対応」「マスクの着用」の6つ。「A4サイズのチラシで利用者の方が一目でどのような感染症対策をしているのか分かるピクトグラムを選択しました」とオーナーは話してくれました。

この店ではテイクアウトのほかにも、店の入り口に利用客に感染症対策を働きかけるポスターを掲示しています。「外国人もちゃんとマスクをつけてくれるから、安心して利用できます」という日本人のお客様からの声も聞かれるようになったといいます。

オーナーは「今は6つのピクトグラムを組み合わせて活用していますが、違うバリエーションのピクトグラムを組み合わせることも考えています。世界の人々が安心して食事をしてもらうために、もっと多くの店でこのピクトグラムが普及すればいいと思います」と話してくれました。

多言語で感染症対策を伝えることができるピクトグラムは、飲食店にとっても大きな支えとなることでしょう。言葉の壁を乗り越えて外国人観光客を受け入れるアイテムとして、今後はさまざまな形で力を発揮してくれる存在になりそうです。

※ピクトグラムの活用シーンを想定したイメージ記事です